高血圧治療薬 ディオバン

ディオバンの効果と作用

即効で簡単に血圧を下げる方法として、ディオバン錠があります。
高血圧の治療薬であるディオバン錠は、スイスのノバルティス・ファーマ社で開発されました。
今では世界100カ国以上で承認され、日本でも2000年9月に承認されています。

 

主成分はバルサルタンで、体内で産生されるアンジオテンシンU受容体に結合し、
強い血圧上昇因子であるアンジオテンシンUの血管収縮作用を遮り、血圧を下げます。

 

アンジオテンシンUは、動脈の平滑筋にある受容体(AT1)に作用し、
血管を収縮させることにより、血圧上昇を招きます。
ディオバンの主成分バルサルタンは、アンジオテンシンU受容体に結びつくことにより、
アンジオテンシンUが持つ血管を収縮させる働きを遮断する性質を持つ薬です。
そのため体内の血管が拡張して、水分や電解質などが整えられ、血圧を下げてくれるのです。

 

服用後すみやかに吸収される特徴があり、アンジオテンシンUの生成を抑制するACE阻害薬よりも、
即効性があります。
心臓病(心不全など)や腎臓病(腎硬化症、糖尿病性腎症など)にも有効に作用します。

 

ディオバンにはACE阻害薬によくみられる、「咳」の副作用がほとんどないと言われており、
また持続性があるため、1日1回の服用で済みます。

ディオバンの服用方法

ディオバンには、ディオバン錠20mg、ディオバン錠40mg、
ディオバン錠80mg、ディオバン錠160mgがあります。

 

通常、成人は1回40〜80mgを1日1回服用しますが、年齢や症状で増減されます。
1日最大160mgまで増量されることもあります。
6歳以上の小児や体重35kg未満の方の場合は、1回20mgを1日1回の服用とします。
体重35kg以上の場合は、1回40mgを1日1回の服用とし、1日の最大用量は、40mgとされています。

 

飲み忘れた場合、気がついた時に1回分を服用してください。
ただし、次の通常飲む時間が8時間以内の場合、忘れた分は飲まず、
1回分を飛ばしまてください。絶対に2回分を一度に服用しないでください。
誤って多く飲んでしまった場合、医師または薬剤師に相談し、
医師の指示なしに自分の判断で飲むのを止めないようにしましょう。

 

※注意が必要な方
・以前、薬を使用し、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある方
・高カリウム血症や腎障害、糖尿病のある方
・血液透析をしている方
・減塩療法中、あるいは手術を受ける予定がある方
・妊娠中、または授乳中の女性
・市販薬も含め、他の薬を服用している方
・血圧が下がると、めまいやふらつきが生じることがある方
・車の運転や高所での危険な作業をする方

 

ディオバンの副作用

ディオバン錠はひどい副作用はそれほどないですが、薬の効果が上がるにつれ、
血圧が下がり、体のだるさ、めまい感、頭痛、ふらつき、立ちくらみ、低血圧、味覚異常などがみられます。
これらは、徐々に慣れてくることが多いです。

 

類似薬(ACE阻害薬)に多かった「咳」の副作用は、ほとんど無いと言われています。
まれにですが、もともと腎臓の悪い人の服用は、症状を悪化させてしまう場合があります。
ディオバンには、アルドステロンの分泌を抑制し、血清カリウム値を上昇させる作用があるため、
高カリウム血症を悪化させるおそれがありますので、服用には注意が必要です。
また腎機能障害の方や糖尿病の方は、血清カリウム値が高くなりやすいので、
血清カリウム値に注意する必要があります。
定期的に血液検査を行い、症状が重くなる前に予防することが大切です。
薬に頼る前に、血圧を下げるサプリメント等を取り入れてみるのも良いかもしれません。

 

また薬の服用開始時に、血管浮腫、失神など一過性の意識消失なども過去に事例がありました。
血管浮腫は痛みはないのですが、深層の皮下に腫脹が出てくる症状です。
眼窩(眼球の入っている、頭蓋骨の深い大きなくぼみ)や口の周辺、顔面に血管浮腫が現れる場合も
あります。
とくに高齢の方、血液透析中、厳重な減塩療法中、夏季の脱水時、
また利尿薬など他の薬と併用するときなどには注意してください。
薬服用時の体調の変化にはくれぐれも注意し、何か変わったところが少しでもあれば
医師や薬剤師に相談して下さい。
血圧が低下することにより、めまい、ふらつきが起こることがありますので、
車の運転や高いところでの作業など、危険を伴う機械の操作には注意が必要です。

ディオバンを病院で処方された場合の流れと薬価

ディオバンは高血圧の治療薬として最も多く処方されているお薬です。
高血圧は、糖尿病や脂質異常症と同様に、注意しなければならない生活習慣病です。

 

病院でディオバンを処方してもらうには、使用に際して、まず細かな問診が行われます。
持病のある方やアレルギーの有無、妊娠・授乳中の方や服用中のお薬についてなど、
ご自身の体質や健康状態、生活習慣などしっかり報告するようにしてください。
特に使用中のお薬に関しては、飲み合わせが悪いものもありますので
必ず医師に相談するようにしましょう。

 

問診が終われば必要な検査となり、医師の許可が下りた場合に、
ディオバンを処方して頂けます。

 

服用する量に関しては、医師が判断し処方しますので、
勝手に量を増減したり、途中で服用をやめたりしない様にして下さい。

 

ディオバンの形状は錠剤で、必要に応じて20mg、40mg、80mg、160mgの
4段階での服用となります。
それぞれの薬価は、
20mgで33.8円
40mgで61.4円
80mgで114.8円
160mgで223.7円
となっています。

 

また病院での処方の場合、もちろんこの他に、
初診や再診料、検査料、処方料などがかかります。
インターネットの個人輸入を利用し、海外から通販で取り寄せた場合、
正規価格の3割程は安くなるようです。

 

まずは、脂質異常症に効くサプリメントDHA・EPAサプリメント等)を摂取したり、
食生活を改善するなど日々の生活から改善していく事から始めてみましょう。

ディオバンとグレープフルーツの飲み合わせ

通常、降圧薬とグレープフルーツの組み合わせは危険です。
代表的なものとしてグレープフルーツが挙げられますが、その他にも、晩白柚・スウィーティー・ダイダイ・
夏みかん・ポンカン・いよかん・金柑なども控えた方が良いとされています。

 

これは、グレープフルーツの成分がカルシウム拮抗薬と一緒に飲むことで、
薬が長く体に残り、代謝が遅れてたくさん吸収され、相手の薬の効き目が強くなります。
その結果、血圧が下がりすぎたり、顔のほてり、頭痛、ふらつきなどの副作用が現れることがあるからです。

 

降圧薬と言っても、カルシウム拮抗薬という種類の血圧のお薬との相性が良くないのです。
しかし、ディオバン錠はカルシウム拮抗薬ではなく、ARBという種類になります。
従ってデイオバン錠を服用していてもグレープフルーツを食べることは特に問題ないと思われます。